イベントレポート詳細

【オンライン サイエンスレクチャー】秋田県能代市とゆかりの深い、「木」と「再生可能エネルギー」をテーマに、開催しました。

2月5日(土)、「あなたのまちの未来を考える 中高生のためのオンラインサイエンスレクチャー 秋田県能代市発 木と再生可能エネルギーをテーマに」が、開催されました。北は秋田県から南は鹿児島県まで、全国各地の中高生の皆さんが、集まりました。

岡部 徹 東京大学生産技術研究所長

東京大学 生産技術研究所 岡部 徹 所長、秋田県 能代市 齊藤 滋宣 市長の開会挨拶ののち、「木」をテーマに東京大学 生産技術研究所 腰原 幹雄 教授「都市に木造建築を」、秋田県立大学 木材高度加工研究所 山内 秀文 教授「木材利用の新たな可能性を探る ~セルロースナノファイバー~」の2講演がありました。

腰原 教授からは、木を伐って、植える。そして伐った木を活用するというサイクルを維持するために、木がある土地だけでなく、都市に住むひとたちにも木を使ってもらう、そのためには、都市に木造の建物を建築する必要があるとし、技術の進化や法律の改正とともに拡がる、都市における木造建築の普及状況及び将来の可能性が紹介されました。

続いて、山内教授の講演では、専門である木材加工学の魅力の紹介から講演がスタートし、セルロースナノファイバー(CNF)の特長や、活用の実例が数多く紹介されました。
CNFはどのような段階の木材でも作り出せるという利点があることで、木材・木質資源のさらなる長寿命化につながり、結果として、樹木の生育期間を確保することにつながるため、木材全般をサスティナブルにできる材料であることが紹介されました。

腰原 幹雄 東京大学生産技術研究所 教授

山内 秀文 秋田県立大学 木材高度加工研究所 教授

スクリーンショットでの記念写真撮影後、「再生可能エネルギー」をテーマに、秋田洋上風力発電株式会社 岡垣 啓司 代表取締役社長から「秋田港・能代港における洋上風力発電事業」の講演がありました。

日本初の商業ベースでの大型洋上風力発電事業であり、2022年末に稼働開始予定の洋上風力発電施設の設置状況が、写真や動画を交えて紹介されました。

質疑応答後の、東京大学 生産技術研究所 次世代育成オフィス 中井 紗織 学術専門職員によるクロージングでは、レクチャーの内容とSDGsの目標との関係についての紹介がありました。

受講生から寄せられた、自身の住むまちの「木」や、「再生可能エネルギー」に関する事例紹介を経て、このレクチャーを、まちの未来について、自分事として考える機会とし、次世代のまちづくりにおいて、研究者や実践者になるきっかけにしてほしいというメッセージが伝えられました。秋田県 能代市企画部 松橋 優悦 部長の閉会挨拶で、レクチャーは終了しました。

秋田洋上風力発電(株) 岡垣 啓司 代表取締役社長

秋田県 能代市企画部 松橋 優悦 部長

スクリーンショットによる記念撮影(1)

スクリーンショットによる記念撮影(2)

受講生アンケートでは、多数のコメントが寄せられました。
(以下抜粋)
「専門的な知識を学べたことはもちろん、将来、自分がどの分野の何を大学で学ぶのかを考える良いきっかけになりました。」
「セルロースナノファイバーは知識として知っていたが、そのもたらす力や用途を学べてよかったし、私も木材学に興味を持ちました。森は循環している、と最近よく聞く言葉をわかりやすくかみ砕いてくださったのもよかったです。私も将来今回講義をしてくださった方々のような、より良い地球、生活の担い手になれるよう、また自分が楽しめるように勉強を頑張ろうと思った。」

この催しは、当初、科学自然都市協創連合の加盟自治体に居住する中高生を対象に、実際に秋田県能代市に集まってもらい、能代市の木や木材、そして再生可能エネルギーの取り組みについて触れてもらう、キャンプ形式で企画されていました。
しかし、今般のコロナ禍により、企画の変更を余儀なくされ、オンラインのレクチャー形式での開催となりました。
科学自然都市協創連合では、今後も、加盟自治体間での交流を促すような企画を検討して行きます。

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