【大漁旗プロジェクト】ワークショップ「もしかするゆりほんじょう~自然×科学×まちづくり」が秋田県 由利本荘市で開催されました。
このワークショップは、秋田県 由利本荘市に所在する秋田県立大学の、システム科学技術学部学生(3年生)対象の「人間工学」の授業時間内に、大漁旗プロジェクトの一環として、行われました。東京大学 生産技術研究所と会場の秋田県立大学を、オンラインでつなぎ、由利本荘市役所のご担当者および秋田県立大学 システム科学技術学部 経営システム工学科 嶋崎 真仁 准教授のご協力のもと、開催しました。
ワークショップは、岸 利治 東京大学 生産技術研究所 所長の、開会の挨拶から始まりました。
過去に開催したワークショップは、3つのステップで構成されていましたが、今回は時間の都合で、ステップ1のSDGs解説の部分は、参加者に事前学習をしてもらう形で割愛しました。ワークショップ開催前の10月5日(月)に、東京大学 生産技術研究所 次世代育成オフィス 中井 紗織 学術支援専門職員からSDGsの解説があり、参加者は、SDGsという世界共通の目標のうち、どれが由利本荘市で達成できるか、自分なりに考えた結果を、ワークショップ当日に持ち寄りました。
ステップ2では、東京大学 生産技術研究所 川添研究室 青木 佳子 助教による講演「地域を捉え未来を描く『点からはじまるまちづくり』」が、行われました。講演は、青木 助教の興味の変遷や、大切にしている「ゲニウス・ロキ(地霊。その土地、風土、歴史を尊重することで優れた景観を生む)」という思想の話題から始まりました。建築学視点のまちづくりを専門とし、生業(なりわい)や文化など、その土地の「地域らしさ」を見出すことに関心があるという青木 助教が取り組んでいる、和歌山県 和歌山市 加太地区のまちづくりが紹介されました。小さな漁村である加太に、「地域ラボ」という、実際の拠点を置き、密接な社会的関係を構築しながら、問題を抽出し、まちづくりの提案を行うという、青木 助教の高い実行力が伴う研究活動に、参加者は熱心に耳を傾けました。
ステップ3では、「生研道具箱カードゲーム」を使って、「もしかする ゆりほんじょう~ 科学や技術で、まちは変わる?~」が行われました。
参加者は、生産技術研究所で開発を進めている最先端の技術を「道具」として組み合わせる「生研道具箱カードゲーム」を使って、ステップ1で考えた由利本荘市のSDGs目標の達成と魅力をさらに輝かせるアイデアを話し合い、発表を行いました。
発表では、「高速ロボットやBeyond 5Gを活用した人手を最小限にして自然と人が住む環境が両立可能なまち」、「波力発電や気象予報を活用してクリーンなエネルギーとキレイな空気、景色のまち」などがありました。
嶋崎 准教授の講評をもって、ワークショップは終了しました。