イベントレポート詳細

【大漁旗プロジェクト】ワークショップ「もしかするのしろ~自然×科学×まちづくり~」が秋田県 能代市で開催されました。

2020年9月21日(月・祝日)、秋田県 能代市で、ワークショップ「もしかするのしろ~自然×科学×まちづくり」が開催されました。

このワークショップは、科学自然都市協創連合 会員自治体である秋田県 能代市の3校(能代工業高等学校、能代高等学校、能代松陽高等学校)の生徒を対象に、大漁旗プロジェクトの一環として行われました。今回のワークショップは、東京大学 生産技術研究所と会場の能代松陽高等学校をオンラインでつなぐ形式となり、46名というたくさんの生徒たちの参加が決まってから、能代市役所ご担当者、引率の先生方と入念な準備を重ねての開催となりました。

ワークショップは、岸 利治 東京大学 生産技術研究所 所長と、能代市 小野 正博 副市長の開会のあいさつから始まりました。

ステップ1では、東京大学 生産技術研究所 次世代育成オフィス 中井 紗織 学術支援専門職員によるSDGsの解説が行われました。続いて、能代市 企画部 総合政策課 金平 勝利 主査から、能代市の概況について紹介がありました。秋田杉の加工で繁栄し、かつて「東洋一の木都」と呼ばれた能代市の歴史を礎に、新たなる名産品「白神ねぎ」の生産・普及支援として、全国でも珍しい「ねぎ課」の設置や、風力発電を中心とした「エネルギーのまちづくり」など、進取の気性に富んだ能代市の、今ある姿が紹介されました。 生徒たちは、SDGsという世界共通の目標と、自分たちが身近に感じるものを関連付けるという切り口のグループワークに、熱心に取り組みました。

STEP2では、東京大学 生産技術研究所 都市基盤安全工学国際研究センター 加藤 孝明 教授による「防災【も】まちづくりのすすめ」をテーマとした講演が行われました。防災とまちづくりの専門家である加藤 教授から、防災の施策でありながら、福祉や教育、地域の持続性を高めるといった、複合的な施策の重要性が伝えられました。同時に、絶対的な安全は存在しないという視点から、どの程度のリスクを許容できるかという、意識の転換の必要性とともに、自分たちのまちに合う形での、防災の考え方のカスタマイズが必要であるというお話がありました。また、地域再生における、日本の最先端モデルとして、徳島県 美波町 伊座利という約100人の集落の紹介がありました。小学校の存続からまちづくりへの議論が高まった結果、コミュニティスクールという言葉が日本で浸透する前から、伊座利ではその概念を独自に考え、実践していたことが紹介されました。「超・少子高齢化が進む現在、日本の最先端は都会ではなく、地方である。その地方に住む人たちこそ、新しいことを実践していってほしい」という、加藤 教授の印象的なメッセージで講演は終了しました。

ステップ3では、東京大学 生産技術研究所 人間・社会系部門 松山 桃世 准教授が開発した、「生研道具箱カードゲーム」を楽しみました。生徒たちは、研究所で開発を進めている最先端の技術を「道具」として組み合わせ、能代市をさらに輝かせるアイデアを考え、グループ別に発表を行いました。たくさんのアイデアのもと、「作ったエネルギーを自分たちだけでなく、他の地域にも提供して、共存するまち」「風の松原をさらに魅力的にして、観光客が増えるまち」「持続可能なエネルギー生産がさらに効率よくできるまち」など、具体的な未来のまちの姿を思い思いに描き、共有することで、ワークショップは終了しました。

ワークショップ終了後、大漁旗デザイン制作を呼び掛けたところ、3名の生徒が立候補し、制作を担当することになりました。能代の未来を描く素晴らしい大漁旗の完成が期待されます。

ページトップへ